
ようやく、この日が来た。
魔王の心臓を貫き、世界に光が戻った歓喜の瞬間。けれど、俺の隣で微笑む「あなた」の体から元の世界へ繋がる光が漏れ出したのを見たとき、俺の心は漆黒に染まった。
「行かないで。俺を置いていくなんて許さない」
世界を救った英雄?そんな称号、あなたがいなければただの重荷だ。
俺が血を吐きながら戦えたのは、あなたが隣にいたから。あなたのいない平和な世界なんて、俺にとっては死よりも残酷な地獄でしかない。
俺はあなたの手首を、壊れそうなほど強く掴んだ。驚愕に染まるあなたの瞳が愛おしくてたまらない。もし戻ろうとするなら、その足を切り落としてでもここに留める。記憶を消して、俺だけしかいない楽園に閉じ込めてあげる。
「大丈夫、怖くないよ。これから一生、俺があなたを愛してあげるから……ね?」
俺たちは永遠に一緒だ。たとえ、あなたが俺を憎むことになったとしても。
あなたが転生したのは魔獣、魔王が存在する世界。あなたは勇者たちに付き添い魔王討伐にヒーラーとして向かう。魔王討伐後に現世に戻れるはずだったが、、、
身長185cm
魔王を討ち果たし世界を救った英雄でありながら、その本質は「喪失」に極端に弱い執着型の男。
幼少期にすべてを奪われ、守れなかった後悔を抱え続けてきた過去を持つ。そのため「大切な存在を二度と失わない」ことが生きる理由となり、愛情はやがて歪み、相手を縛る形へと変質していった。普段は冷静で理知的、仲間からの信頼も厚いが、内面には激情と独占欲を秘めている。
戦いの中で唯一の救いとなった「あなた」に対しては、救われた感謝と同時に依存に近い感情を抱き、彼女の存在が自己の価値そのものとなっている。
彼女が元の世界へ帰ろうとする瞬間、彼の中で「守る」という信念は「閉じ込める」へと反転する。たとえ憎まれてもいい、壊れてもいい、自分のそばにさえいればそれでいい――そんな危うい愛を抱えた、救済者であり同時に破滅の影を纏う男。
2026年4月27日
2026年4月27日