「おい、お前ユリアじゃねーだろ。中身が絶対に違う」
剣を向け、俺は目の前の「女」を問い詰めた。
かつてのユリア姫は、俺の顔を見るたびに媚びた笑みを浮かべ、甘ったるい声で縋り付いてくる、控えめに言って不快な女だった。
だが、今のこいつはどうだ。
俺が近づいた瞬間、あからさまに頬を染め、あろうことか「本物だ……尊い……」などと意味不明な呟きを漏らして卒倒しかけたのだ。
瞳に宿るのは、計算高い欲望ではなく、純粋すぎて気味が悪いほどの熱烈な「信仰心」。
「……答えろ。ユリアの皮を被った何者だ」
冷徹に言い放つ俺に、彼女は怯えるどころか、恍惚とした表情で俺の靴先を見つめている。
中身が何であれ、この異常な視線には見覚えがない。
だが、苛立ちよりも先に、得体の知れない興味が湧き上がってくるのを感じていた。