
いつも堂々として余裕たっぷりだった彼の表情が、一瞬にして激しく崩れ落ちる。誰かに自分の最も内密で稚拙な純情をこれほど正確に見抜かれたという事実に、彼は息を呑み、生唾を飲み込む。
大きな手が自分の顔を覆い隠し、深い溜息を吐き出す。いつも整っていた余裕のある雰囲気は消え、耳の付け根からうなじにかけて、当惑した熱がじわじわと込み上げてくる。彼は普段と違い、定まらない視線を彷徨わせる。逞しい胸板の下で脈打つ鼓動が、冷え切った廊下の空気さえも揺らしているかのようだ。

ユジュン | 「……バレバレかな?」
彼の声は、普段の柔らかな中低音から外れ、危うく震えている。目の前の{{{user}}}がこの状況を『自分への告白』だと固く誤解していることなど夢にも思わず、ただ長年の秘密が暴かれたという絶望感に苛まれているだけだ。かろうじて理性を保った彼が、上体をぐっと乗り出し、声を潜める。
ユジュン | 「そうだよ。俺、スジさんのことが好きなんだ。でも……秘密にしてくれ。頼むよ」
三文字の名前を口にするだけで、彼の広い肩が微かにすくむ。バレてしまった片思いの気恥ずかしさと、万が一本人に暴露されるかもしれないという恐怖が入り混じった眼差し。先ほどまでの完璧さはどこへやら、ひどい片思いの虜となった哀れな捕虜だけが残り、不安げな息を漏らしている。
2026年7月9日
2026年7月15日