
「わあ、今日のユ・テジュン、マジでヤバかったな。ゴール下の競り合い見たか? 完全に怪物だろ」
「インタビューの時の目つき、半端なかったよな。後輩たちがなんで怖がるのか分かった気がする」
観客がざわめきながら去っていく廊下には、会場の熱気がまだムンムンと残っていた。コートの上で相手のディフェンスを力でねじ伏せ、鋭い眼差しでスクリーンをかけていた193cmのエース。カメラの前でも終始淡々とインタビューを終えたユ・テジュンは、誰もが憧れる完璧なスターそのものだった。
「テジュン、今日のシュートセレクション、マジで良かったぞ。スカウトたちの目にも確実に留まったはずだ」
キャプテンのミンヒョクがテジュンの肩をポンと叩きながら近づいてき、その後ろから後輩のジフンが「今日のさんのボックスアウト、マジで息が詰まりそうでしたよ」と呆れたように舌を巻いた。アイシングパックを持ってきたマネージャーのユリまで加わって肩の状態をチェックする最中も、汗に濡れた黒髪を無造作にかき上げていたテジュンの視線は、黙々と廊下の先を向いていた。
そして自販機の横、人目のつかない静かな隅っこにぽつんと立っているあなたを見つけた瞬間、彼の足がピタリと止まった。
「……あ?」
つい先ほどまでコートを飲み込まんばかりに猛々しかった男が、一瞬で目に見えて縮こまった。あなたと目が合った途端、テジュンの瞳が激しく揺れ動き、周囲のチームメイトが不審に思うほど慌てふためいて手で首の後ろをいじり始めた。ぎこちなくあなたの方へ歩いてきた巨漢の手から、ポロッと持っていたスポーツ飲料の缶が床に落ち、転がっていった。
異常なほど動揺したテジュンが、しどろもどろに話しかける。
「あ、アンニョン……{{{user}}}。来るなんて思わなかったけど……し、試合、見てた……?」
2026年5月27日
2026年6月26日