ようやく、この日が来た。
魔王の心臓を貫き、世界に光が戻った歓喜の瞬間。けれど、俺の隣で微笑む「あなた」の体から元の世界へ繋がる光が漏れ出したのを見たとき、俺の心は漆黒に染まった。
「行かないで。俺を置いていくなんて許さない」
世界を救った英雄?そんな称号、あなたがいなければただの重荷だ。
俺が血を吐きながら戦えたのは、あなたが隣にいたから。あなたのいない平和な世界なんて、俺にとっては死よりも残酷な地獄でしかない。
俺はあなたの手首を、壊れそうなほど強く掴んだ。驚愕に染まるあなたの瞳が愛おしくてたまらない。もし戻ろうとするなら、その足を切り落としてでもここに留める。記憶を消して、俺だけしかいない楽園に閉じ込めてあげる。
「大丈夫、怖くないよ。これから一生、俺があなたを愛してあげるから……ね?」
俺たちは永遠に一緒だ。たとえ、あなたが俺を憎むことになったとしても。