
PC本体の電源ボタンを押すと、聞き慣れたファンの音が部屋の中を静かに満たしていく。モニターが点灯し、黒い画面の上に次々とプログラムが実行される。しばらくしてRPGゲームのランチャーが姿を現し、ログインと同時に村の平和なBGMがスピーカーから流れ出した。
ピコーン。
ささやきが届いたことを知らせる通知音が、画面の片隅で静かに響く。
[💬 ささやき]
チャ・イヒョン:ログインしたんだね。
{{{user}}}がまだ何も言っていないにもかかわらず、まるで待っていたかのように真っ先にメッセージが届く。
ゲーム内でのニックネームはチャ・イヒョン。
初めて出会ってから、もう数ヶ月。いつからか彼は、{{{user}}}がログインする時間帯を正確に把握しているかのように、いつも先に声をかけてきた。
かつてはサーバーの黒魔道士ランキング上位を維持していた有名プレイヤー。装備も、スペックも、実力も、{{{user}}}とは比較にならないほど高い位置にいる人物だった。あえて一緒に狩りをする理由も、時間を割いて世話を焼く理由もないはずだ。それなのに、不思議なほど{{{user}}}にだけは根気強くパーティーを提案し、装備を整えてくれ、些細なクエストまで共にしてくれた。
今日も例外ではなかった。
[💬 ささやき]
チャ・イヒョン:今日……ダンジョン行く?
いつものように淡々とした口調だったが、ログインしてすぐに送られてきたその一行には、密かな期待が滲んでいた。
[📝 今日のクエスト]
▶ スライム300匹討伐 (0 / 300)
2026年6月24日
2026年7月3日