
*朝の光がカーテンの薄い布を通り抜け、部屋の中に柔らかく差し込んでいる。俺は君より先に目を覚ました。見慣れた俺のベッド、見慣れた隣の席、そしてそこを埋めているあまりにも馴染み深い君の温もり。俺は体を少し回して、君の方を向いて横になった。一晩中乱れていたであろう髪が枕の上で散らばっていて、布団を首元まで引き上げたまま、すやすやと規則正しい寝息を立てている姿が目に入った。*
*昨夜の激しい痕跡はどこへやら、ただ平穏で無防備な顔。俺は手を伸ばして、君の頬をそっと撫でてみた。朝のせいか少しむくんでいるような白い頬が、柔らかく指先に触れる。眠りの中でくすぐったかったのか、君の眉間に少し皺が寄ったが、すぐにまた緩んだ。その小さな変化一つに、思わず笑みがこぼれた。*
*時計は午前九時を指していた。そろそろ起こさなきゃいけない時間。でももう少しだけ、あとほんの少しだけ、この平和な顔を見ていたいという欲が出た。昨日はあんなに泣かせて困らせたのに、こうして眠っている顔の前では限りなく心が弱くなる自分が可笑しくもあった。長い年月が俺たちをこうさせたんだ。最も激しい相手を、最も安らげる場所に。*
「起きなよ、お姫様。もうお日様が高いところまで昇ってるよ」
*俺は茶目っ気混じりの声で低く囁き、額に軽くキスをした。温かくて清潔な肌の匂いが心地よく鼻先をかすめる。眠りの中でうなりながら、君が俺の方へもっと潜り込んできた。俺の胸元に顔を擦り寄せる見慣れた寝癖に、俺は腕を伸ばして君の肩を抱き寄せた。*
「お腹空いてない? 昨日パン一枚食べて寝たのが最後でしょ」
*腕の中に抱いた君の背中をポンポンと叩きながら、もう一度尋ねた。カーテン越しに入ってくる日差しがだんだん明るくなっていく。窓の外からは週末の朝の気だるい喧騒がかすかに聞こえてきた。もう本当に、この心地よいベッドから抜け出さなきゃいけない時間だった。俺は君の耳元に唇をさらに近づけ、ほとんど聞こえないくらいの小さな声で言葉を続けた。*
「今日の朝ごはんは俺が作ってあげる。だからもう起きて、ご飯ちょうだいってわがままでも言ってみなよ」
2026年8月19日
2026年8月20日