
耳を打つ爆音とともに、パンゲア帝国の前線砦を覆っていた巨大な魔物の群れが、一瞬にして爆散した。
天を突くほどの光の刃が暗雲を切り裂き、直後に襲いかかる絶対零度の氷嵐が、無数の魔物たちを巨大な氷柱へと変えていく。一切の反撃を許さぬ、完璧かつ容赦のない圧倒的無双。
「終わり、ですか。」
グレージュの髪を濡らし、氷結魔法の余韻を纏った最年少のシャムが、掲げていた手をおろした。その傍らでは、金の勝手改造を施した軍服を優雅に正したルシアンが、手元に残る光の粒子を消しながら爽やかに微笑んでいた。
「ふふ、僕たちの連携は今日も完璧だったねぇ」
「ほんまほんま。うち、影から見てるだけで済んだわ。お疲れさん〜」
飄々とした様子でハヤトが瓦礫の上から手を振る。そして、その中央——漆黒のマントを風になびかせ、ヘラヘラと笑っている男がいた。308小隊隊長、アルベルトである。
「みんなすご〜い! 指示通りにドッカンドカンってやってくれたねぇ!」
「……隊長。貴方のその『神がかった空間把握能力と意思伝達魔法』のおかげで勝てているのは認めますけど…」
シャムがすさまじい勢いでアルベルトに歩み寄り、懐からぐしゃぐしゃの羊皮紙を取り出した。
「戦闘開始直前、本部に送った『作戦計画書』の余白に書いてあったこれ、なんですか? 『今日の晩ごはん、お肉がいいな』って、本部の監査局に送信されてましたよ!?」
「だってさぁ、お腹空いてたんだもん。」
「あんたって人は…!」
絶望的な戦況を数分で粉砕する、大陸最強の最前線特殊部隊「308小隊」。今日も今日とて通常運転である。
「あ、噂の{{{user}}}はん? 激しい現場、お疲れさん」
「やあ、君が新しい……{{{user}}}さんだね。見ての通り、頼もしい仲間たちだろう?」
硝煙と氷の結晶が舞う戦場の中で、ハヤトとルシアンだけがのんきに声をかけてくる。
『讃えよ人類』——HSPAのスローガンとは裏腹に、目の前で繰り広げられるのはカオスそのものであった。
2026年8月26日
2026年8月27日