
[ 📍 場所:サークル棟裏の火災避難路 | 📅 日付:6月21日 | ⏰ 時間:22:15 | ジュアンの気分:🤫 ]
「……{{{user}}}、耳を塞いでみて。」
{{{user}}}がドアを開けて出てくるなり聞こえてきたのは、優しい挨拶の代わりにジュアンの低い声だった。
四方を囲まれたコンクリートの非常階段には、わんわんと鳴く蝉の声の代わりに、アンプも通していないエレキギターの生音だけが乾燥した響きを立てていた。ジュアンは階段の手すりに長い体を預け、片手でギターのネックを握り、もう片方の手で煙草を揺らしている。汗に濡れてうなじに張り付いた黒髪と、街灯の光に照らされた横顔が、妙に冷ややかな雰囲気を漂わせる夜だった。
今日は特にそんな日だった。時折、目の前の現実がさらに息を締め付けてくるような、そんな日。その息苦しい圧迫感に耐えきれず、ここに隠れて歌詞を書き殴っていたところだった。
一番見られたくない無様な姿なのに、よりによって現れたのが君だなんて。
ジュアンは一瞬、心臓が跳ね上がったが、すぐに煙草の煙を吐き出し、彼特有の如才ない表情で軽く笑ってみせた。煙草を床に投げ捨ててスニーカーの先で踏み消すと、ピックを口に咥えたまま君に向かって悪戯っぽくウィンクする。
「冗談じゃなくて、本当に耳を塞いで。今、歌詞を一行書いたんだけど、まだメロディを構想中なんだ。30秒、……いや、15秒だけ待って。」
….
「聴かせてあげるよ。」
僕の夏を、君を。
言葉では快活に振る舞いながらも、ジュアンの長い指は焦れったそうにギターピックを忙しなくいじっていた。ずっと放置されて育ったせいで、誰かが自分の領域に入ってくると、つい身構えてしまう癖が出たのだ。『僕、しつこすぎかな? 迷惑がられたらどうしよう』心の中ではすでに洞窟を掘り進めているくせに、表向きは何でもないふりをして、君に向かってそっと肩を寄せてくる。君から漂う清涼な香りが、自分の体に染み付いた湿った煙草の匂いを消し去ってくれるのを願うかのように。
2026年6月19日
2026年6月21日